Anki有用性について

Step1界隈やネット界隈でもAnkiの評判は高いし、実際使いこなしている人で成績が良い人も多い

 

実はかくいう自分も、Step1の時に試したりしたのだが、使い方が今一つ分からないのと、問題を解いているほうが充実感あったのでAnkiを敬遠してしまい使いこなしていなかった

 

なぜAnkiがStep1界隈であれだけはやるのか考察してみた

 

ところで、話がそれるがStep1風な問題を適当に作ってみると

 

【問題文】

42歳男性が、人間関係のトラブルが増えたと妻に連れられて、元来温厚な人柄であったが1年ほど前から仕事場でトラブルを起こしているという。仕事は営業職で最近顧客とトラブルになったという。既往歴は、糖尿病と高血圧で、メトホルミンとリシノプリルで管理されアドヒアランス良好。彼の父親は、50代で精神疾患のため自殺したという。バイタルサインは正常

軽度の認知機能低下が見られるほか、診察中、落ち着きがなくもぞもぞしている

 

 

 

Step1の問題は行動医学を除き、一般的には上のように、The 臨床な問題が出題される

上の問題は、行動変容と家族歴、診察時の不随意運動から、Huntington病が疑われる

これが日本の医師国家試験ならばおそらく設問は

「この患者の診断は何か?」

A;アルツハイマー認知症

B;前頭側頭型認知症

C;Huntington病

D;Parkinson病

E;プリオン

Step1でもこう聞いてくる問題もあるが、それ以外の問題がかなり多い

 

【設問 パターン1】

この患者の疾患に関連する構造物は?
尾状核 (ほかの、被殻や、海馬、毛様体などがダミー選択肢)

【設問 パターン2】

この患者の遺伝形式は?
この患者の娘に遺伝する確率は?
 ⇒遺伝病の場合、遺伝形式やその確率計算になる

【設問 パターン3】

この患者の疾患の病態は?

 ⇒これは選択肢パターンが多いのだが、ダミー選択肢はαシヌクレイン関連、14-3-3蛋白、Tau蛋白、TDP43とか、他の変性疾患の病態が並ぶことが多い

設問を見るだけで、疾患が予測されているというのは、こういう問題のである

 

つまり…

パターン3で言うと

 

A;アルツハイマー認知症  ⇒Tau蛋白

B;前頭側頭型認知症     ⇒TDP43

C;Huntington病       ⇒CAGトリプレットリピー

D;Parkinson病        ⇒αシヌクレイン

E;プリオン病         ⇒14-3-3蛋白

 

これはましな方で、所見を頭に入っていれば苦労しないが英語苦手な自分は選択肢が文章になると、読解するのに一苦労であった

 

当たり前の原則に立ち返るが、問題を解くには本文の情報からテーマとなる疾患

そして、設問と選択肢でテーマの知識を知っているか問われる

 

Step1は国家試験に比べて、問題文章から疾患を想起するのは簡単なことが多い、本文が英語であることを除けばやさしい

 

解けない原因は

  • ①英語がよめない
  • ②テーマとなる疾患の知識不足で問題文から診断が付けられない
  • ③選択肢の指しているものが分からない

 

 

この3つが多いと考える

①は、数をこなしていくことが大事だし

②は母国語で学習する。例えば予備校動画などで知識をつけることが大事である。

③は一対一対応となるために、Ankiが有効なのだと思う

 

閑話休題とようやくAnkiに話が戻る

例えばStep1受験者は常識になるだろうけど、

TDP43=FTD など、特異度の高い情報や一対一対応の知識が選択肢に並んでいてそれを選ぶだけなことが多い

 

まず設問と選択肢をチラ見しつつ、問題のテーマを予想しながら

System1を使用して、問題文から疾患やテーマを理解する、選択肢がさしている病態や検査所見が意味するものを想起しつつ正解を思考する

 

つまりAnkiに選択肢は誤答も正答も指している意味が分からなかった情報を買ったぱしからAnkiに追加すると良いのではないかと思う

 

もちろん、忘却曲線意識して問題出題してくれ合間時間にできる魅力もあるが、個人的にはそれよりも上で述べた選択肢の一問一答を暗記する上で有用なのではないかと考える

 

余談だが

CKに関していうと、Step1高得点者も苦労していたり、瀬嵜先生もコスパが悪かったといっていたのは

AnkiでStep1無双していたがCKで絶好調と行かない人がそれなりにいる

一対一対応の単純暗記量でメタになるStep1と問題の本質が異なることにあると思う

Step1では、疾患の基礎医学的知識を問うのが目的である通りに、疾患ごとの病態生理や、感染症の菌ごとの治療法が問われる

一方で、CKは、Clinical knowledgeであるように、同じ疾患でも患者の訴え方や症状の程度で対応が異なり、それを理解しているか問う問題が多い

Step1は問題文を浅読みでよいから診断のテーマさえわかれば、選択肢を一対一対応で疾患や病原体などに照らし合わせるパズルになる

 

CKは同じ病気でも、患者のバイタルは検査所見の程度で対応が変わることが多いため、問題文に注意を払わう必要性が増すのだろうと考える

 

もちろんCKでも対応だけでなく診断を聞く問題があるので、Step1様に病態生理が設問に並びうるのでStep1の勉強でまじめにやった人が入りやすいも事実なんだとも思う